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leghorn

ガーランドはウォーリアオブライトの左手を取り、薬指をそっと撫でてから武骨な指で小さな金属の輪をはめる。節くれ立った太い指は、まさに変幻自在の大剣を扱う大男に相応しいもの。無造作に、それでも己を傷つけぬよう短く切りそろえられた爪が鎧を介さない…

rose gray

後はその刃を、どこか急所にでも刺せば終わるはずだった。「……、っ」そのとき微かに兜から呻き声が響いた気がして、ウォーリアオブライトは剣を握る力を弱める。青く澄んだ瞳はとっくに濁りきっていたが、勇者にはまだ僅かに命の灯火が残っていた。「何か、…

smoke blue

 幾度もの輪廻を越えて、互いを殺し合ってきたのだと目の前の巨体は薄暗く笑った。何度光の戦士が輝く剣を振るったところで結果など何も変わらず、結局何も救えはしなかったと震える猛者の声が、苦しみに喘いでいるように聞こえた。「何度でも言っ…