ミクダイ

春色の風

昼下がり、うとうととしだした意識を少し醒まそうとミクリがキッチンに立ったとき、めったに鳴らない呼び鈴がカランと音を立てた。今日はコンテストの審査員として呼ばれていて、久しぶりに客観的な立場でコンテストを隅々まで見ることができたので気分が晴れ…

スピカの涙

「今日は星が綺麗な夜だから、久しぶりに散歩でもしないか」ミクリに誘われてルネの夜道を歩くことになったのは、半時間ほど前だった。今日の夜は、ミクリが仕事終わりに寄ったスーパーで見つけたスモークサーモンとモッツァレラチーズの軽いサラダをつまみ、…

good morning my dear

「おや、それで終わりなのかい?」「! お、起きてたなら言ってよ!」愛しい君の挨拶で起きる朝(おはようわたしの愛しいチャンピオン)

はつ恋の鈍い痛み

(ダイゴさんが小学生くらいの過去の話で、ずいぶん乙女ちっくです)ミクリは誰から見ても端麗な容姿をしており、実際彼の周りには女の子の姿が絶えなかった。たくさんの女の子に囲まれながら一人ひとりに砂糖菓子のような甘い言葉をかけ、嬉しそうに頬を染め…