むすんで、ひらいて

 

妊娠が嬉しいものだと周りは祝福してくれた。だがそれは本当に……?
騎士団の任務に忙しい中どうにか私との時間を割いてくれるおとこにとって
この子はどんな存在になるのだろう。
……大丈夫、わたしには既にたくさん愛された記憶も事実もある。
この子に分けてあげられるほど、わたしの手に有り余るほどたくさんの愛。
だから大丈夫、そう思っていたのだ。

「ガーランド……!」

人生で二度ともう会うことがないだろうと覚悟を決めていた、そのおとこに再び会うまでは。