「あら、ヤヤコマあなたも歌いに来たの?」
「朝食が冷めますし、身体にも毒だ。早く着替えてください」
朝というには暖かすぎる日差しを小麦色の肌に浴びながら、パキラは真っ白なシーツをひらりと身にまとっている。
普段黒や赤などきつい彩りを飾る彼女が素の状態に純白の衣を身につけていると、まるで別人のように清らかで優しい印象だ。
細い腕に生えた柔らかい産毛が、太陽の光に反射してキラキラと輝いている。
今この瞬間を独占しているのは自分しかいないのだ。
何と贅沢なことだろう。
ズミは目の前のしなやかな痩身を、そっと抱き寄せて肩口に口付けた。